反定立の灰になるまで

燃焼や研磨のあとに残る、何か

2014-02-27

 先輩によるクロースアップ講習会でした。

 開始早々、「宴会芸としてだとか、友達に見せてちょっと喜んでもらうための『びっくり箱』としてだとかでマジックをしようっていうつもりなら、僕から教えることはないので帰ってもらっていいよ」との一言。まあ私はそういうつもりではなかったし、そもそも少し内輪向きなこの会に出ている人たちにそんなつもりの人は多分いないだろうと思ったのだが、ほんの少し緊張が走ったと思う。

 今回はパーム、スイッチ、パスについて学ぶものだったが、まずはじめにマジックとはどういうものかについて、先輩が話した。つまりは氏のマジック観である。テクニック、たとえばDL*1というものがある程度身に付いたとする。しかしそれだけではマジックにはならなくて、例を挙げるならば、DL後にカードを中央に入れて指を鳴らすと、それであの「Ambitious Card」のトリックの一種となる。そして演出が加わりキャラクターを持ったマジックとなり、それがパッケージされて一人のマジシャンとなる。これらは独立に存在するものではなく、階層状になっているため、その基盤となるテクニックが十分であることが非常に重要である。話は大体このようなものだった。「ちょっとテクニック至上主義なところはあるかもしれないけれど。」そう言っていたけれど、私はほとんど同意できたし、そういう考えが確立していることは自身を確かなものにすると思えた。また、テクニックの重要性を3つほど*2話していた。可能性が広がるということ、単純化できるということ、心理的側面を考えられるようになるということ。大雑把に言えばこのような感じだ。「まずテクニックありき」感が伝わると思う。

 推理小説とは正反対な、メカニズムを隠したままにしておかねばならないという性質上、中途半端な状態で人の目に晒されるのは、確かに良い気分はしない。だからこそ真剣に語ってくれたのだと思う。それに応えられるようにまたカードを触る。

 他の参加者の希望で、カルの説明もあった。一通り説明しきって講習会は一旦終わり、解散となった。私は久々のバイト*3が入っていたので、それに向かう。まだ残っていた人もいたので少し残念だが、機会はまたあると思いたい。

 入試時期真っ盛りで、合格発表なども耳にする。中学受験の子に算数など教えていたが、中学範囲の学習になった途端にかなり易しくなった。ちょっと退屈。大学入試はつい先日行われたようで、去年に結果を知らないまま離れてしまった人ともコンタクトをとることができたのでよかったと思いつつ、受験のことを思い出して少しだけ悲しくなったりもした。

 2月ももうすぐ終わりだ。

*1:サーストンの原則を配慮してなるべく略記する

*2:話しているうちに4つになったのだが私自身も忘れてしまったし3つのいずれかとほぼ同内容だったように思う

*3:塾講師です。固定された方がやる気出るので家庭教師したいです。募集中。